【大井町・松田町】”やねだん”のリーダー豊重哲郎さんが熱弁/行政に頼らない・住民主体で稼ぐ地域づくり

 地方創生の優良事例として全国から注目される鹿児島県鹿屋市串良町柳谷地区(通称・やねだん)のリーダー・豊重哲郎さん(柳田自治公民館長)を講師に迎えた「講演会&勉強会」が、大井町(1月29日)と松田町(1月28日)で開かれた。《やねだん》は、120世帯、約300人が共存する柳田集落を指す地元の言葉。

 両会開催のきっかけは、神奈川県足柄上郡町村会(中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)の首長が昨年10月に県外視察で《やねだん》を訪れ、あふれるアイデアで“行政に頼らない地域づくり”に取り組む豊重さんの熱意に打たれ、同じ中山間地域の悩みを抱える大井町と寄(やどりき)七つ星ヒーリングヴィレッジを進める松田町が依頼した。

 

 『大井町/行政に頼らない地域づくり』

 講演会は29日午後6時から、大井町山田のそうわ会館で開かれた。会場には、間宮恒行町長はじめ町幹部、相和地区(篠窪・柳・高尾・赤田・上山田・下山田・中屋敷)で活動する各種団体関係者をはじめ町議、町職員など約110人が詰めかけた。

 豊重さんは午前中、町幹部の案内で相和地区の7集落を中心に視察し、夜の講演に臨んだ。

 開口一番、「地域の再生には、住民の心を揺さぶる感動や感謝の気持ちを共有できるリーダー(仕掛け人)の存在が不可欠」と言い切った。

 豊重さんが55歳で柳田自治公民館長に就任した当時、集落の余剰金は1万円しかなく、追い詰められた状況を打破したのは、耕作放棄地でのサツマイモ栽培、販売益を自主財源に充てた、ことだった。サツマイモ栽培は、〈やねだん〉が商品化した初のブランド品・焼酎「やねだん」へと繋がった。その後、余剰金は500万円となり、各世帯へ1万円のボーナスを支給した。また、再生した空き家を〈迎賓館〉と名付け、アーティストの移住を促進する活動を開始。現在、7人のアーティストが地域の文化向上に貢献するなど、あふれるアイデアで感動の地域づくりに取り組んでいる。

 また、視察した相和地区を挙げ「地域おこしに魅力的な場所などが多い、年間1000万円は稼げる」と明言、地域の奮起を促した。さらに、土着菌を使った農産物の栽培/販売、町職員の地域担当制による地域づくりなどを提案した。

 講演後、間宮町長は地域担当制について「町職員が地域に関わることは必要だと思う。前向きに検討していきたい」と話した。

 『松田町/住民主体で稼ぐ地域づくり』

 勉強会は、まちづくりの最前線で活躍する3人の講師を招き、“地域で稼ぐ”をメインテーマに《出来ること》、《必要な考え方》を3回シリーズで学ぶ。

第1回目は28日午後4時から、豊重さんによる勉強会「住民主体で稼ぐ地域づくり」を松田町寄(やどりき)の町立寄中学校で開いた。

 会場には、田代浩一副町長ら町幹部と寄地区の各活動団体関係者はじめ町民、町職員など66人が駆けつけ、豊重さんの熱弁に耳を傾けた。

 豊重さんは、〈やねだん〉の活動を紹介する映像を交えながら、〈自主財源を確保するための企画力が重要。稼いだ金は、地域に還元する〉、〈一人ひとりの出番をつくることで、補欠のいない地域づくりを実践する〉、〈地域で何かをやろうとすれば、必ず否定する人がいる。その否定的な人に先ず働きかける〉、〈自らが率先して働く。相手の感動を呼び起こすことで人は動く〉などと熱く語りかけた。

 参加者からは、〈自治会活動の良いヒントを得た〉、〈成功事例は聞いていて楽しい〉、〈地域での防災にも共通であると感じた〉、〈自治会員の自治会への無関心者をなくすことに取り組みたい〉などの声があった。

 次回以降の日程は次の通り。参加費は無料(事前申込制)。会場は寄中学校体育館。問合せは松田町観光経済課観光推進係(電話0465-83-1228)へ。

《第2回目/2月25日18:00~20:00》

 ▽テーマ:体験と農泊で稼ぐ地域づくり▽講師:若林伸一さん(NPO法人自然体験学校理事長)▽申込み:2月22日まで。

《第3回目/3月11日18:00~20:00》

 ▽テーマ:寄を次世代にのこすために何をすべきか▽講師:藻谷浩介さん((株)日本総合研究所主席研究員)▽申込み:3月8日まで。

(伊豆さがみ情報ネット)

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