【山北町】全国でも珍しい「世附の百万遍念仏」/長さ9メートルの大数珠うねり地域の安全・悪疫退散願う

 大滑車に取り付けた長さ9メートルの大数珠を床に投げつけながら廻す、全国でも珍しい行法「世附(よづく)の百万遍念仏」(神奈川県指定無形民俗文化財)が17・18日の両日、山北町向原の能安寺道場で行われた。主催は、世附百万遍念仏保存会(渡辺安男会長)。

数珠廻し

 600数十年前の南北朝時代に山北町の世附地区に伝わったと云われる百万遍念仏は、昭和49(1974)年、三保ダム建設に伴い集落が丹沢湖の湖底に沈んだため、一時中断。3年後の同52(’77)年に世附の元住民らの手で復活、地域の絆と伝統を守り伝えている。

剣の舞

 

 道場では、念仏衆が太鼓に合わせて念仏を唱える中、若者たちが先祖の霊を慰め、地域の安全と悪疫退散を願いながら、梯子(はしご)に似た高さ2メートルの巨大滑車に取り付けた直径5センチの数珠302個を繋いだ大数珠を床に投げつけると、長蛇のようにうねりながら“バシッ”“バシッ”と乾いた音を響かせた。

 数珠廻しに続いて、道場を浄める「剣の舞」や諸事の霊を慰める「姫の舞」、悪魔払いをして世を浄める「幣の舞」、神が自ら悪魔(獅子)に変じて諸悪を引き寄せ、全部退治する「狂いの舞」のほか、ヒョットコ面をつけて天の岩戸開きの場面を表し、世の中を和やかにする「二上りの舞」、男女の滑稽な

鳥さしの舞

やりとりが入る「おかめの舞」、曾我兄弟が“鳥さし”に身を変えて親の敵を討つ間の苦心を描いた「鳥さしの舞い」など遊び神楽も演じられた。

 最後は、念仏衆が道場の中央に持ち出した大太鼓を打ちながら、融通念仏を10回唱えた後、修験者が太鼓の打ち終わりを告げると、太鼓の周りに陣取った人たちが天井に張られたシメ縄を競い奪い取った。シメ縄は、家に持ち帰り戸口に掛けておくと、疫病除けになると云われている。

(伊豆さがみ情報ネット)

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