【伊東市】地域内交通を考える、公開学習会

 伊豆高原のCafé Beにて「地域内交通を考える」という勉強会が2月16日に開かれ、この分野の権威、為国 孝敏(ためくに・たかとし)博士がおよそ二時間の講話と質疑応答に答えた。
 NPO法人まちづくり支援センターの代表理事である為国さんは、ほかに総務省地域力創造アドバイザー、国土交通省関東運輸局 地域公共交通マイスターなどの肩書も持つ。16日のセミナーは、道路交通法等との関係から設置・運営の可能な「地域内の交通システム」について、成功例や失敗例などについて語られた。

 伊東市をはじめとする伊豆地方も高齢化や超高齢化が進む地域であり、80歳や90歳を超えても自家用車を運転しなければ生活できないという世帯は増えている。また、全国レベルでは高齢者の自動車運転による交通事故のニュースは毎週のように報道されるようになってきた。そこで、社会の実情にふまえた地域交通システムすなわち「地域の足」の再構築というテーマが注目されるべきであるが、為国さんは「計画を作るのが計画ではない」「地域内での人が物理的に動くこと、移動することにより、町が活性化し、ゆくゆくは新しい魅力づくりにもなる」ということを述べている。実際に進めている千葉県木更津市、茨城県日立市、埼玉県ときがわ町などが、スクールバス、コミュニティバス、デマンドバスなどの仕組みを使い運営していることが紹介された。

 中でも千葉県南房総市では、地域住民のボランティアによる形で「(仮称)そら豆バス」を運営しているという。ここには、地域内の高齢者が耕作放棄地を活用し「そら豆」を育て出荷し、その利益をバスの燃料代にあてているというサイクルや高齢者の生活見守り運動も同時に試みられている。どの地域も試行錯誤を繰り返しながら進めていることが説明された。為国さんによれば、こうしたバス運営はどうしても赤字になり行政の補助に頼るのだが、市民町民一人一人、車を持っている人も年に3回ほどは意識してバスに乗ってみればそれで、運営体の「収支率」が改善されるという試算が得られるという。
 伊東市は昨年末についに7万人の人口を下回っている。人口減少ストップは、若い世代の呼び込みだけでなく高齢者世帯の住みやすさの改善も同時に考えることが大切だが、伊東市内の地域がこうした地域バス運行の試みの地となる日も来るだろうか。
(伊豆さがみ情報ネット)

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